目次
こんな人にオススメ!
- 肌が乾燥するのを極力避けたい!
- 身体への負担は極力小さい方が良い!
- 窓の外を眺めたい!
- 最新の機材が好き!
どんな機体?
航空会社の戦略を一気に変えたゲームチェンジャー。
B787登場の前は、機体が大きければ航続距離も長くなるというのが基本でした。
ゆえに、ハブ&スポークの路線網を構築せざるをえなかったのです。
ハブ&スポークとは、たとえば、①ベルリン・ケルン・ミュンヘンから100人ずつ旅客を小さな機体でフランクフルトに運び、②フランクフルトの100人と合わせて400人を大きな機体でロサンゼルスに運ぶ、そして③ロサンゼルスから小さい機体でサンフランシスコ、サンノゼ、ラスベガス、フェニックスに運ぶ、という感じで、自転車の車輪のハブ(車軸)とスポークみたいに、ハブとハブを結ぶ路線は大型機で、スポーク路線は小型機で運航するスタイルです。
これは効率が良いのですが、これだと旅客は複数の乗り換えを強いられ面倒です。だからといって、大型機を満席にできるほどの需要がない路線を運航すれば、赤字になるか航空券が高くなってしまいます。
B787は、それ以前のB747やB777より70~80%少ない座席数ではあるものの、同じくらい長距離を飛べます。また、燃費も良くなっているので、一人当たりのコストも安価になります。
おかげで、今まで直行便を飛ばしたくても飛ばせなかった路線を開設することができます。これにより、ハブ&スポーク中心の路線網が割りと薄れ、ポイントtoポイントの路線が増えてきました。
たとえば、JALは成田~ボストン便等を、ANAは成田~ブリュッセル便等をB787で開設しました。
特徴は?
湿度が高くて快適
機体の構造部材に炭素繊維複合材/CFRPをふんだんに使用して、機体を軽くすることを狙った訳ですが、金属使用量を減らしたおかげで、金属が錆びることをそれほど気にしなくて良くなったので、機内の湿度を高くすることができます。
航空機の機内の湿度はそれまでより2~3倍となっており、格段に喉・肌に良いフライトとなります。とはいえ、湿度は20%程度ですので、乾燥してることに変わりはないですね。
気圧が高くて快適
以前は、8,000フィートレベルまでしか与圧できなかったものが、787は6,000フィートレベルまで与圧できます。
これにより、むくみや耳詰まりが軽減されるなど、身体への負担が比較的小さく済みます。
窓が大きい
他の航空機に比べて圧倒的に窓が大きいです。
このおかげで、景色が良く見えます。窓側席でなくても、外の様子が良く分かるようになりました。
また、シェードがスライド式の蓋から、電子的に窓を黒くする形になりました。これにより、シェードを半分閉めても明るすぎるということがなくなったので、陽射しを避けつつ外を眺めるということが出来るようになりました。機窓を眺めるのが好きな人にとってはラッキーです。
ただ、暗くなるまで時間がかかるので、すぐ閉めたい人にとってはイライラの元かもしれません。
静か
新型エンジンにより、かなり騒音が軽減されています。ANAが大量導入した結果、羽田空港がだいぶ静かになった印象です。
バリエーション
B787シリーズには、B787-8、B787-9、B787-10の3つのバリエーションがあります。
旅客にとっては大した違いがありません。非常口位置が少し違うくらいですので、搭乗時に確認すれば済むレベルです。
胴体の長さが違うので、座席数が違います。より小さい機体(数字が小さいバリエーション)に乗った方が乗り降りの時間が短くて済むというメリットがあります。
また、航続距離が違うので、需要がB787-10の座席数ほどあっても、距離的にB787-9でないと飛べない路線などが出てきます。
B787 | -8 | -9 | -10 |
座席数(標準) | 242 | 290 | 330 |
座席数(最大) | 381 | 420 | 440 |
客室幅(cm) | 549 | 549 | 549 |
航続距離(km) | 13,620 | 14,140 | 11,910 |
最大離陸重量(t) | 227 | 254 | 254 |
最大着陸重量(t) | 172 | 192 | 201 |
最大ペイロード(t) | 43 | 52 | 52 |
巡航速度(マッハ) | 0.85 | 0.85 | 0.85 |
貨物容量(LD3) | 28 | 36 | 40 |
エンジン | GEnx-1B RR Trent 1000 | GEnx-1B RR Trent 1000 | GEnx-1B RR Trent 1000 |
ライバルとなる機体
デビューの時期や、性能の面で、ライバルはA350と言われています。
ただ、座席数の観点では、少しずれがあります。
B787-8は、B767やA330の後継機として導入する会社が多いです。このことから、座席数では、A330の最新型の小さいサイズの方のA330-800が直接のライバルになります。
B787-9は、A330やB777-200の後継機として導入するサイズ感です。ゆえに、座席数では、A330-900が直接のライバルになります。
B787-10は、B777-200の後継機として導入するサイズ感です。したがって、座席数では、A350-900が直接のライバルになります。
B787を運航しているエアラインは?
55以上のエアラインがB787を運航しています。
特に日本、その中でもANAは世界最大規模のB787運用エアラインです。短距離路線にこれだけ多くのB787を飛ばしているエアラインも世界広しと言えど、日本・ANAくらいかと思います。JALが1時間のフライトである羽田~大阪/伊丹専用にB787-8を導入していることが異様なんだと思います。